◎内容
・同じ読みの漢字単語と仮名単語を線で結びマッチングさせる課題です
・エスコアール 言語訓練用絵カード【アクトカード】の語彙を参考にしています
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◎目的
・失語症者にとって、一般的に仮名(ひらがな)の操作は難しいとされているため、表意文字である漢字単語を手がかりにして仮名単語の理解を向上させる
・絵カードなどを併用すれば意味理解の向上も併せてアプローチ可能
◎対象
・単語レベルの理解が難しい重度~中等度の失語症患者さま
・特に、漢字単語と仮名単語の理解・表出に差がある方
・ある程度漢字単語の音読が可能な方がより推奨されますが、音声表出が難しくても実施は可能です
◎具体的な使用方法(一例ですので状況に応じて変更してください)
①可能であれば漢字単語を音読させる。難しい場合は介助者が漢字単語を指さすなどし注目させる
②右側の仮名単語群より、同じ読み方の単語を選択させる
③選択した仮名単語を音読する(※漢字単語をヒントにしてもよい)
④同じ読みの語を選べたら、線で結ぶ(※注意や上肢の影響など、線を引くのが難しい場合は無理に実施しなくてよい)
◎注意点
・①漢字1文字(1音)と仮名1文字のバージョン、及び②2モーラ(2文字)以上の単語のバージョン と、2種類の課題があるため、どちらの段階に問題があるのか評価をし、適切な課題内容を選択してください(※仮名1文字の場合、失語症者にとっては2文字以上の単語よりもかえって難しい場合があることに注意!)
◎難易度調整・ヒント案
・漢字や仮名の音読を誤った場合は介助者が正しい音を伝える(語頭音ヒントなど)。あくまで失語症患者さまの自発的な反応を大切にし、先回りしたり、無理に矯正したりしないよう配慮する。
・音の提示はゆっくり、はっきり、必要に応じて口形も意識させながら行う。
・文字を指差しながら行うと、より音韻を意識できるため併用すると良い。
・選択肢の数を調整する
◎レベルアップ課題・応用編
・選択肢無しでの漢字単語への仮名ふり
・漢字単語無しでの仮名単語の音読
・中には漢字よりも仮名の方が得意の方もいるため、上記方法を逆のパターンで実施しても良い
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