― 言語聴覚士が選ぶ「おうちでもすぐ取り入れられる」アイテム紹介 ―
子どもの「ことばの発達」を家庭でサポートしたいと思っているママ・パパはとても多いですよね。
リハビリではお子さんひとりひとりに合わせたプログラムを行いますが、その中でも「どんな子にも合わせやすく、毎日使っている!」というおもちゃがあります。
ということで今回は、
• 小児リハで「課題って何しよう…?」「準備したのに上手くいかない…」と迷うSTにも
言語聴覚士(ST)の私が、現場で実際に効果を感じた・リアルに使っている“言葉を伸ばすおもちゃ”を紹介していきます!
言葉の練習にはおもちゃが必要?
「言葉を教える」と聞くと勉強のようで難しく感じてしまいがちですが、子供の言語発達は毎日のあそびの中で育まれていきます。
リハビリでは「おもちゃで遊んでいるだけ」と親御さんに思われる機会も多いです。
しかし、単に「言葉を教える」のでは無く、“体験”や“やりとり”の中で、子供たちが楽しみながら自然な言語の発達につなげていけるよう言語聴覚士たちは常に配慮しながら関わっています。
言語聴覚士目線で見る“良いおもちゃ”
言語聴覚士の私が重視しているポイントを紹介します。
◆“質”にこだわる
最近は100均などでもおもちゃがたくさん手に入るようになり、リハビリでも重宝しています。
しかし!「ことばを伸ばす」を意識した場合には、おもちゃの“質”は無視できない点です。
・耐久性が低くカードの端がめくれてくる
・余計な装飾で、言語以外に注意が向いてしまう 等々…
そのため、リハビリで使用するおもちゃでは特に質にこだわるよう意識しています。

おうちで気軽に取り組みたい!という親御さんはまずは手の出しやすい価格のものから使用するのもアリ!です。(子供ってすぐ飽きたり壊したりするもんね…)
◆子供が楽しめる
これも必須条件!課題がお子さんにとって楽しいものでないとリハビリが成り立ちません。

大人がやらせたい!と思う内容より、子供がやりたい!と思える課題の方が
結果的にたくさんのコミュニケーションを生み出します。
◆パッと見て分かりやすい
特に小さなお子さんで会話が難しい場合などは、感覚的に遊べるおもちゃの方が楽しめ、自然な発語につながりやすいです。
◆遊び方が一通りじゃなく、いろんな課題に応用できる
いろんな遊び方に発展できるおもちゃは、成長に合わせて使い方を変えられ、こまめに買い替えなくても長く使用できます。
私が毎日使っているおもちゃ&使い方
ここからは具体的なおもちゃを、リハビリでの使い方と一緒に紹介していきます。
① おままごとセット
これは本当に全員やる。私の訓練室での出現率ほぼ100%!
単語レベルから長めの文が言える子まで、どのレベルの子にも使いやすい万能アイテムです。
プリントやカードではどうしても“勉強っぽさ”が出て嫌がってしまうお子さんも多いですが、おままごとは同じ野菜の名前を言うだけでも、食いつきがまったく違います。
おすすめは「お買い物ごっこ」
伸ばしたい能力に合わせていろいろな遊び方をしています。
・単語レベルの子…身近な食べ物(例:りんご・にんじんなど)を覚えることを目指します。
・語彙を広げたい子…少し難しめの食品をいれる(例:れんこん・レモンなど)ことで、 日常では触れない語彙を増やします。
・聞く力(聴覚把持)を伸ばしたい子…「◯と△と□をください」など、 複数語の同時処理ができるかを自然に練習できます。
・会話の全般の土台作り…たとえばレジを取り入れると、「これください」「○○円です」「ありがとう」など相手を意識したやり取りが増えます。
・数字の理解や、順番を守る練習にも繋がる
上記を踏まえて実際に私がリハビリで使用しているのはこちら!
実際の臨床では、食品の種類を増やしたいので100均のものなども含め色々使用しています。
しかし、野菜などマジックテープで切りにくいものなど言語以外の要素でつまづくことを避けた方が、お子さんのやる気を維持しやすいです。
また、レジのおもちゃには電子音の鳴るおもちゃも多いですが、音に気が取られて引き出したいコミュニケーションが中断されやすいので、私はあえて音が鳴らないものを使っています。
② 単語カード
理解はしているけど発語がない子、逆にかなり話せる子にも使える万能アイテムです。ただ単語の獲得だけでなく、発展させれば語彙・文の構成力・説明力まで伸ばせます。
100均のカードも持っていますが、リハビリでメインで使用しているのはこちら。
【特徴】
• 絵が見やすい
• 紙がしっかりしていて耐久性が高い
• 選ばれている語彙が良い
• サイズ感がちょうどいい
やっぱり公文は圧倒的に使いやすいです!
内容だけでなく、毎日の訓練で何十回も触ることを考えると、“ちゃんと扱いやすくて長持ちするカード” が結局コスパ最強!
でも、ご家庭で使う分にはまずは100均からでもアリだと思います!

筆者は公文のおもちゃ信者です(笑)
子供だけでなく大人のリハビリや、自身の子供たちにもよく使っています。
ありがとう、公文式!!!(いつか公文特集のコラムも書きたいな…)
リハビリでの使い方
①絵を見て名前を言う
一番無難な使用方法ですが、シンプルに名称を言う課題として使用できます。
② グループ分け
まだ発語のないお子さんには、言語化前の大事な基礎能力としてグループ分け(例:複数のカードを動物・乗り物・食べ物に分けて置く)等に使用します。理解のベースが整っているか確認できます。
③ なぞなぞ・説明の練習
絵を見せずに特徴を伝えて、お子さんに何が描いてあるか当ててもらうなぞなぞ形式や、逆にお子さんになぞなぞを出してもらうことで、語を説明する力を鍛えます。
③ かたはめパズル(動物・形など)
初期評価や単語レベルで語彙を増やしたい子に特によく使用しているアイテムです。
カードよりも子どもが自然と前のめりになるし、「勉強してる感」を出さずに語彙を引き出せます。
ポイントは色がはっきりしており絵や形が分かりやすく、はめやすいものを選ぶのが大事。
はめにくいパズルだとそれだけでお子さんが嫌になるなど、言語以外のところでつまずいてしまうことがあります。
小さいお子さんにはつまみ部分がしっかりしているものもおすすめです。
ことばを引き出す工夫
楽しく言語リハビリに取り組んでもらうためには、「そのまま渡してはめるだけ」ではなく…
• はめる瞬間に「ガチャン!」と声を合わせて楽しさUP
• 「○○はどこ?」で理解的な訓練にも
など工夫しておこなうといいと思います!
まとめ:おうちでも、訓練でも。「使いやすい」が「伸びる」につながる
今日紹介した3つの道具は、私が実際の訓練でほぼ毎日触っているアイテムです。
最近の100均グッズには私もとても助けられていますが、言語リハビリのベースを作るには「使いやすい」おもちゃを選ぶことで、言語としての本質以外でストレスをかけずに、自然に言葉を引き出しやすくなります。
今日紹介したおもちゃはこちら。
①おままごと
②単語カード
③かたはめパズル
どれも家庭で取り入れやすく、お子さんの “言葉や会話の土台づくり” に直結します!
小児リハで「今日は何しよう…」と迷うSTさんにも、扱いやすくて応用が利くのでおススメです!
「どれを買えばいいかわからない…」という方はぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。


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