◎内容
・与えられたテーマに沿って単語を想起し、プリントに書き出す課題です。さらに、想起した単語を即時に再生し、別の課題を挟むなどしてからもう一度思い出すことで記憶力(即時・遅延再生)も評価・訓練できるようになっています。
・1つのプリントで「語想起課題」と「記憶課題」を組み合わせた構成になっています。
・出題者が事前に単語を記入しておき、記憶課題のみとして使用することもできます。
・再生までの時間調整や想起・記憶する語数での難易度の調整がしやすく、幅広いレベルで活用できます。
・別紙でテーマ一覧を添付しています。参考までに…
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◎目的
・語想起能力(言語流暢性)の改善を図る
・記憶力(即時記憶・遅延記憶・短期記憶・記憶容量)の強化を図る
・ 認知症予防や高次脳機能障害・失語症のリハビリとして
◎対象
・高次脳機能障害(記憶障害)のある方
・語列挙課題がある程度可能な軽度の失語症患者の方
・認知症及び認知症予防向けのリハビリとして
・集団リハビリのレクリエーションとして
◎具体的な使用方法(一例ですので状況に応じて変更してください)
①出題者は語想起のテーマ(例:「果物の名前」「野菜の名前」「乗り物の名前」など)を、訓欄上部の枠内にあらかじめ記入しておく。
②提示されたテーマを確認する。
③それぞれのテーマについて、5語程度を目安に書き出します。(※語数はレベルに合わせて調整してください)
④想起した語をすべて記憶する場合は⑤へ。想起したうちの数語を選択し記憶する場合は、どの語を覚えるのか患者さまによく説明する。
④記入後、想起した語が見えない状態にして書き出した単語をすぐに再生(できれば書字)する(即時再生)。再生できない場合はヒント(下記ヒント案参照)や再度覚え直しなどを行う。
⑤指定した時間または別の課題などに取り組んだりフリートークなどを挟んだりした後、もう一度書き出した単語を思い出す(遅延再生)。

初めて行う際はあまり語を増やさず難易度を下げて実施しよう!できなかった時の失敗体験より、まずは少ない語から成功体験を積むといいよ!実際のリハビリ現場では、慣れてきたら5語×3カテゴリーの計15語で行っているよ!
◎難易度調整・ヒント案
・語想起が難しい場合…まずは記憶課題は別にし語想起課題で言語能力のみのアプローチへ切り替える/テーマを簡単なもので設定する
・即時再生が難しい場合…選択肢を用意し再認できるか試す/何のテーマで想起したかを教える/語数を減らす/覚える際に、そのもののイラストを描いてみたりエピソードを話したりすることで記憶に残りやすくする
・遅延再生が難しい場合…再生するまでの時間や課題内容を考慮する/他は即時再生同様
・書字が難しい場合…口頭のみで実施する/書字は介助者が行っても良い
◎注意点
・想起が難しい場合は、焦らせずに待つことが大切です。必要に応じてヒントも併用しましょう。
・再生できない場合でも、「思い出そうとする過程」自体がリハビリになることを介助者・患者さまがともに意識できるといいでしょう。
◎レベルアップ課題・応用編
・語想起テーマの難易度を上げる(身近でないもの・抽象的なものなど)
・タイムアタック形式にする
・集団リハビリやアクティビティとして使用し、語想起や再生した単語を発表し合うことで交流や会話のきっかけに発展させたり、チーム対抗形式などにして実施も可能
・「かなひろい課題」や「記号抹消課題」で注意機能を鍛える!
・「ひらがな計算」で言語や数字の処理を鍛える!
・「デイリーログ」で見当識確認など認知機能面を鍛える!
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