【小児構音障害】迷ったら、この1冊でいい

リハビリコラム

小児の構音障害は対応している施設が少なく、
成人中心の病院でどうにか対応している…という現状があるとよく耳にします。

いざ小児構音を担当することになったとき、
「何から勉強すればいいんだろう」
「評価も訓練も、これで合っているのかな」
と不安になったり、迷ったりした経験がある人は多いはず。

構音障害の専門書はいくつもありますが、
正直、私の経験からは
最初から何冊も読む必要はないと感じています。

小児の構音障害に限って言えば、まずこの1冊!
今日は、私が本当におすすめしたい、構音障害の本を紹介していきます。

※この記事は小児の構音障害を主な対象としています。

小児の構音障害、まずこの1冊でスタートしてOK

私が「これ1冊でいい」と思っているのは、

『構音障害の臨床』
(日本音声言語医学会 編/医歯薬出版)

構音障害を担当するSTであれば、
「今更この本の紹介?」と思うほど“定番”の本だと思います。

新人の頃から今まで、
構音で迷ったときに何度も立ち返ってきたのが、この本です。

最初に、大事な前提として書いておきますが
この記事で紹介している内容は、
脳血管障害や口腔ガン(舌切除等)の後遺症としての構音障害ではありません。

あくまで、私が小児の構音障害を対象とした場面での話です。

また、小児期から成人になるまで治療されずに残っているケースにはあてはまる可能性がありますが
今まで勤務していた病院ではそのような症例は受けておらず私自身は経験がありません。

そのため、
この記事は「小児の構音障害」を担当する方向けとして
読んでいただければと思います。

評価から訓練まで、構音訓練初心者でも大丈夫

この本の一番の強みは、
評価から訓練までのステップが整理されていることです。

  • ここができたら、次はこれ
  • 今はどの段階にいるのか
  • 次に目指すゴールはどこか

が、とても分かりやすい。

構音障害を始めたばかりの頃は、
「今のこの子の状態で、何をすればいいのか」が
全く分からずとても困りました。

そんなときこの本は、迷いにくい道筋を示してくれました。

ネットの断片的な情報に振り回されなくなる

ネットで情報を探すと様々な訓練がでてきますが、どれも部分的な情報が多い印象でした。

でも実際の臨床では、

「で、結局今この子には何からやるの?」

と立ち止まってしまうことも少なくありません。

この本は、個々のテクニックだけでなく
全体の流れが分かりやすいため、
もうこの本に従って進めればいい
と思える安心感がありました。

「昔こう習ったな…」をアップデートしてくれる

学生時代や実習・研修先で訓練方法を教わった記憶がある人もいると思います。

しかしこの本では、よく聞く訓練方法に関しても

「それよりも、こっちの方法の方が後々定着しやすい」

という方法が、解説付きで紹介されています。

たとえば/s/音ではストローを使用した訓練方法をよく見ますが
この本ではストローを使用しない方がいい理由とともに別の訓練方法が紹介されています。

なぜこちらの方法がいいのか、ということがよく分かり
専門家としても納得できる内容です。

実際にこの本の通りに従って指導をする中で
多くのお子さんが正しい構音を獲得していくので

“これは臨床を積み重ねてきた人が書いている内容だな”

とめちゃくちゃ感じています。

具体的な訓練方法がわかりやすい

入職当初、実習でも小児の構音にほとんど触れてこなかったので
具体的な訓練方法が全く分からない…という状態でした。

しかしこの本には細かいステップに分けて
どのように口を動かすか・どうなっていてはダメなのか、が
写真付きで掲載
されています。

特に、「これはよくない」が分かるのがありがたい情報でした。

具体的な指導方法も分かりやすく書かれており
手探り状態だった新人時代には
もはや「この本に書いてある通りに進めるだけ」と従っているうちに
いつの間にか構音が改善していました。

正直な話:当時は自信がなかった

正直に言うと、当時は自信があるなんてとても言えませんでした。
でも親御さんにはもちろん不安な顔は見せられません。

当時の私は、心の中で
「本当にこれで合ってるよね?」
「誰か経験のある人に、今の評価と訓練を見てほしい」
と不安に思いながら、毎回臨床に入っていました。

それでも、この本に書いてある流れを信じて進めていくと、
少しずつ構音が改善してきて
「あ、今やっていることは間違っていなかったんだ」
と思えるようになり、自信につながりました。

今振り返ると、
かなり不安な状態で臨床していた時期だったと思います。
それでも、この本がになってくれていました。

少なくとも、私の臨床では困ったことがありません

よく「万能な本はない」と言われますが、少なくとも私の過去の臨床では
「この本の通りに進めて困った」という経験はありません。

お子さんによってはすぐには改善が難しい場合もあり
もちろんすべてのケースを網羅する本ではありませんが、
小児の構音障害のスタートラインとして十分すぎる一冊だと思っています。

小児の構音障害で迷ったら、この1冊を手に取ってほしい

構音障害の勉強で、迷うこともあると思います。

でもまずは、

「この本に書いてある流れを信じて進めてみる」

それだけで、臨床の見え方が大きく変わるはずです。

ずっと不安だった臨床も
この本のおかげで今では自信をもって
お子さん・親御さんにリハビリを提供できています。

小児の構音障害のリハビリで不安を抱えているSTさんには
ぜひこの一冊を読んでみてください。

当サイトでは構音訓練に使用できるプリントを配布しています。
ぜひこちらもご参照ください!

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